川崎医科大学医用生物センター利用説明会プレゼンテーション(入門編ppt)の紹介

○北 徳、小郷 哲、生和幸子、下村 都、人見貞江

川崎医科大学医用生物センター

【はじめに】
動物実験を行うに当たって動物実験倫理・実験動物福祉に留意することは、関係者全員にとって当然のこと
であるが、医科大学の実験動物施設においてはその利用者のすべてが動物実験倫理・実験動物福祉に通
じているわけではなく、またグループ内の指導体制が整っているわけでもない。そのため実験動物施設の現
場では、動愛法や動物実験指針の精神に反する恐れのある、利用者の行為を目にすることもまれではない
。本学では、実験初心者(主に新入大学院生)を対象として毎年4月に利用説明会を行い、動物実験倫理・
実験動物福祉について留意しつつ実験を実施するよう指導している。その効果のほどは定かでないが、倫
理・福祉に重点をおいた入門編で使用しているプレゼンテーションについて紹介する。

【入門編プレゼンテーションの意図】
これから動物実験を始めようとする新人実験者は多くの場合、動物実験を取り巻く社会情勢については予
備知識をほとんど持っていないようであり、動物実験倫理・実験動物福祉についてどのように説明すべきか
悩むところである。実際、われわれの経験では、説明会に出席した実験者であっても、実際に実験を開始し
ようとするとき、説明会の内容はほとんど意に介していない様子を見せつけられることもまれではない。施設
運営現場の立場からは、実験者自身の自覚がもっとも重要と思われるところであるが、動物実験実施者自
身に動物実験実施当人としての自覚を促すにはどうすればいいかは、説明会を開始して以来の課題となっ
てきた。


 われわれは長年の実務経験から、実験者としての自覚は、実験者がおかれている社会的な位置を認識す
ることから始めなければ芽生えないのでないかと考え、動物実験を取り巻く社会情勢や反対運動の存在を
印象づけるプレゼンテーションを工夫してきた。それは、単に反対運動を強調することによって慎重な行動を
促すことを目的とするのではなく、とかく学内社会、研究者社会の内側に向きがちな実験者の目を広く一般
社会に向けるよう促し、社会性を喚起しようとするものでもある。

 参考に供し、ご意見をいただき改善したいと思う。