パルプ等加工系床敷5種類によるケージ上面での浮遊粉塵量の測定


 ○丁畑 勇一、草場 加奈子、橋村 博 (潟Pー・エー・シー)
  梅田 雅臣、上田 弘 (バイエル薬品梶E中央研究所)
 
 我々は前回、前々回の本大会において、パルプ等加工系床敷5種類によるケージ内アンモニア濃度抑制効果、居住性に関しての発表を行った。今回は同じ5種類の床敷を使用し、浮遊粉塵量の発生量をケージ上面で測定したので報告する。
 
[材料]雌性ICR/CRJ マウス(約40g)、1ケージ4匹飼。使用床敷量は前回と同じで、ケアフィーズ(ハムリー)34g、テックフレッシュ(エデストローム)67g、ペパークリーン(SLC)55g、アルファドライ(イーピーエス)100g、グリーントゥルー(アニメック)173gを使用した。粉塵測定機器は、レーザーパーティクルカウンターCI−500(ジャパンマシナリー)を使用した。
 
[方法]ケージ中央網蓋上面より約3cmの位置で0.3〜0.5、0.5〜1.0、1.0〜5.0、5.0〜10.0、10.0〜25.0μm、及び25.0μm以上の浮遊粉塵を、5日間、1時間おきに1分間測定した。但し、8時から18時までの間は飼育管理作業など、人為的な粉塵の発生も考えられる為、夜間(暗期サイクル)の19時から7時までの12時間、計13回の測定結果を使用した。
 
[結果]各床敷の全浮遊粉塵量が少ない順から、グリーントゥルー、ペパークリーン、アルファドライ、テックフレッシュ、ケアフィーズであった。各床敷の全浮遊粉塵量から、5μm〜25μmのアレルゲンとされる粉塵量が少ない順に、グリーントゥルー、テックフレッシュ、アルファドライ、ペパークリーン、ケアフィーズであった。
 
[考察]グリーントゥルーが他の床敷より、全浮遊粉塵量では12〜57%、5μm〜25μmのアレルゲンとされる粉塵量でも、51〜83%少なかった。従って、グリーントゥルーを使用する事によりアレルゲンの減少や、空調フィルターの目詰まりが軽減でき、フィルターの延命効果も期待できる。